東芝　ビッグ7 IC700の内の1モデル　美品

70年か71年にナショナルワールドボーイGX、ソニー　IC11のビックヒットを横目に東芝が大急ぎで発売した3バンドモデルです。
実はIC700と言う東芝のラジオはもう一つ有り、同じ3バンド乍ら、もう少し小さく、単三を4本使う物でした。
この小柄なIC700はそれまで東芝ラジオのビックヒットだったIC70と言うモデルを継ぐものとして発売された様です。デザインにも共通性が有りました。
しかし、既にナショナルとソニーから前述の2モデルが発売されて市場を席巻しており、小型のモデルでは競争力が無いと判断したのか、急いで同じ型番乍らビッグ7のニックネームでおっつけ出したのがこちらのIC700でした。
ヒットした他社モデルに倣ってチューニングメーター、感度切替、AFC等を付け、スピーカーもφ9cm迄拡大し、先代IC700よりは大きく、立派でした。
デザインもスッキリしていて悪くは有りません。
しかし、同社の先代モデルよりは進歩していたとは言え、競合モデルを参考にしながら出されたにしては、全く魅力が無く、革新性も有りませんから、市場の受け取り方は極めて冷淡で、あっという間に不人気モデルとなってしまいます。
実は東芝はIC70以降、ラジオでは大きなヒットは無くなり、常にナショナル、ソニーの次のマイナーメーカーの地位のままでした。そんな状態がこの頃から始まった事がこのモデルを見て居ると感じられます。
革新性が無く、魅力が無い。
今日の同社の落剥振りは目を覆いたくなる程です。
粉飾決算の後、どんどん地位も名声も失いながら、危機感がまるで感じられなかったので、上場廃止も時間の問題でした。多分もっと早く誰かが引導を渡すべきだったのでしょう。
この個体ですが、此方で扱うのは多分3台目です。その中では最も綺麗な一台で、動作、音、感度等の問題はありません。唯一AM感度切替スイッチが壊れていて、ノブが根本から抜けそうになります。　
電池はお付けします。立派なプラスチックカバーが付いておりました。写真追加します。
単体で見ればそれなりに良いラジオです。

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